今私は、ヨーロッパの製作家にチェンバロを注文中です。
2年前に注文して、完成を気長に待っているところです。
チェンバロ購入~家に届くまでの連載ブログスタート
「チェンバロを注文する」という行為は世間一般ではまだ珍しい方かと思い、
どんな経緯で注文して、どんな流れだったのかを書いてみることにしました。
この記事を書いている現在も、まだ届いていません。
いつ届くかも謎です…。
なので、いつ完結するシリーズの記事になるのかもわかりません…。
そんな状態なので、間にいろんな雑談記事や違うテーマの記事を挟みながらになりますが、
どうしてチェンバロを買うことにしたのか、
どうやって製作家を探したのか
外国人製作家に頼む場合、どういったことを考慮しなければいけないのか
といったことについて
当時悩んだことや、
紆余曲折の出来事(?)を交えながら書いていこうと思います。
予定では、昨年中に届いているはずだったのですが…。
もしチェンバロの購入を検討されている方や
外国のチェンバロを注文することに興味を持っている方がいれば、
参考になれば幸いです。
よろしければお付き合いください。
1回目のこの記事では、
チェンバロが欲しいと思った理由を紹介します。
私がチェンバロを欲しいと思った理由は、
チェンバロの代わりにピアノで練習することに限界を感じた
からです。
もともとチェンバロを買う予定はなかった
私がチェンバロを習い始めた時、
「自分のチェンバロを買うぞ!」という意気込みは持っていませんでした。
そりゃ自分の楽器あったらいいと思うけど…
高いし、
場所も取るし、
自分で調律とかメンテナンスとかできるかわからないし…
と、今思えば色々な言い訳を並べており、
積極的ではなかったのが正直なところです。
当時の私の部屋には、既にアップライトピアノが置いてありました。
自分のお給料で買ったピアノで、
すごく気に入っていたので手放す勇気もなく…
かと言ってピアノとチェンバロを2台置くスペースもなく…
という状態でした。
そのため、
家ではピアノで練習し、
週末にチェンバロの置かれている練習室を借りて練習し、レッスンに行く
という練習生活でした。
チェンバロの練習室は、ピアノほど多くありません。
東京でも数えられるほどしかないのが現実です。
人気の練習室では予約が取りづらいこともあります。
それでも、チェンバロを買う予算やメンテナンスのことを考えれば、
平日はピアノで練習して、
チェンバロは週末に借りるだけでいいかなと思っていました。
チェンバロの練習時間を増やしたい
しかし、チェンバロに慣れてくるにつれ、
「ピアノとチェンバロは違う楽器である」ことを認識していきました。
チェンバロが上手になりたいなら、
チェンバロで練習する時間を増さないとなぁ
と思うようになったのです。
チェンバロを上手くなるためにはチェンバロで練習した方がいいって、
それは当たり前のことなのですが、
当時自分にとって「チェンバロを持つ」ということは、
まだまだハードルが高いことでした。
チェンバロでたくさん練習できる環境にしたいんだよね
とチェンバロを弾かない知り合いに言うと、
ピアノ持っているんだったら、
チェンバロの代わりとしてピアノで練習したらだめなの?
と聞かれることもありました。
結論としては、やっぱり別の楽器だから
ピアノは、「チェンバロの練習に向いていない」ということ。
チェンバロを弾く人は、みんな声を揃えて言うことだと思います。
私も最初は、チェンバロを買わず、
「家ではピアノで練習、週末はチェンバロ付きの練習室で練習」
というスタイルを続けていくつもりでした。
しかし、この2つの鍵盤楽器は
似ているようで似ていない楽器でして、違いが色々あります。
チェンバロとピアノの違いの例
発音の仕方
まず発音の仕方。
ピアノはハンマーが弦をたたいて発するのに対し、チェンバロは弦をはじく楽器です。
チェンバロの鍵盤を押すと、弦を「ぷっつん」とはじく感触があります。
チェンバロで良い音を出す上では
この「弦をはじく瞬間を感じる」ことが大切です。
ピアノは弦を叩く楽器ですから、
ピアノではその「弦をはじく」感覚が掴めません。
楽器の響き方
ピアノももちろん響く楽器ですが、チェンバロと響き方が違うと思います。
私の語彙力では上手く伝えきれないかもしれませんが、
チェンバロの場合、いい音を出した後にその音の振動が楽器全体に伝わり、
更に空気も振動させるように感じます。
ピアノももちろん楽器や空間全体に響くのですが、
チェンバロほど楽器の木が薄いくないためか、弦の振動の伝わり方が違うように感じます。
この楽器が振動するようなチェンバロ独特の響きを聴くことも、
美しく弾く上でかかせないことでした。
楽器の弾き方
ピアノの場合、曲によっては手ではなく
腕から大きく弾くことがあると思います。
例えばラフマニノフとかプロコフィエフとか弾こうと思ったら、
体の重みも効果的に使い、
上半身が大きく動くこともあるのではないでしょうか。
(例に出す作曲家が極端かもしれませんが…)
しかしチェンバロの場合、体の無駄な動きは取り除き、体の余計な動きは入れない。
脱力した指で鍵盤の側に指を置いた状態から弾くと、いい音が出ます。
その他にも違いは色々ありますが、
いずれにせよ、ピアノとチェンバロは別の楽器。
ピアノで譜読みはできるけれど、
ピアノでチェンバロのタッチを向上させるのは難しいというのが、
チェンバロ弾く人の意見です。
ピアノでの練習に限界を感じた
チェンバロの先生によっては、
チェンバロを本格的に学ぶのであればピアノは弾いてはいけません
とおっしゃる方もいらっしゃいます。
やはり別の楽器であり、ピアノをよく弾いていると
どうしてもピアノの弾き方が体になじんでしまいます。
そしてその弾き方はピアノにとっては良くても、
チェンバロにとっては悪い癖となることが、たまにあります。
以前、あるチェンバロ奏者の方に
私が弾くチェンバロを聴いていただいたことがありました。
その方は私の演奏を聴いて、
「ピアノで練習しているの?」
と質問されました。
その時私はびっくりしましたが、わかる人にはわかるのです。
「この人は普段ピアノを演奏するんだな。ピアノで練習しているんだな。」と。
おそらくその方には、
この人の演奏はピアノを演奏しているみたいな弾き方だな
と思われたのでしょう。
その時私は、
これからもピアノとチェンバロ両方で練習を続けていったら
今の私の「ピアノを演奏しているみたいなチェンバロ演奏」は
今後も変わらないのかもしれない。
と思いました。
ピアノがダメということはないけれど、
チェンバロを上手になりたいなら、
少なくともピアノを弾く時間より、
チェンバロを弾く時間を増やさないといけないなぁ。
そんな考えもあり、
「チェンバロでもっといい音を鳴らしたい」と思えば思うほど、
ピアノでチェンバロの練習をするには限界がある。
チェンバロを弾く時間が欲しい。
という思いが強くなっていき、
チェンバロを買うことを考えようかなぁ
と思うようになりました。
今日はここまでです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。



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