「チェンバロを買おう」と決めてから行ったことは、
チェンバロ製作家を探すことです。
私はヨーロッパ人の製作家に注文しました。
ここでは、私流のチェンバロ製作家の候補の見つけ方をご紹介します。
製作家を決めるための、自分なりの条件を考える
新品のチェンバロを買うには、まず製作家を決めねばなりません。
チェンバロ製作家は決して多いわけではないので、
他の楽器に比べると、選択肢も限られています。
ですが、自分が納得いく製作家探しができるように、
条件がないか考えておくのもよいと思います。
例えば、
「製作家に会って買いたいから、
自分の家から遠くないところにに工房を構えている人がいい」
「外国人の製作家に注文したい」
「納期の速さが大事」
などです。
チェンバロ製作家を決めるための条件として、私が考えていたのは、
過去に自分が弾いたことのある製作家の楽器にすること
でした。
例えば既製品の楽器である場合、
ピアノショールームに行っていろんなピアノを弾き比べてみたり、
楽器売り場でいくつかのヴァイオリンを試しに弾いてみたりして、
自分にとって弾きやすいものを選ぶと思います。
新品のチェンバロは、基本的に注文してから製作されるものなので、
そういった「試し弾き」ができません。
しかし、チェンバロは製作家によって
感触や弾き心地がとても変わります。
そのため、「全く弾いたことのない製作家の楽器を選ぶ」
というのは、リスクが大きいと考え、
「今までに弾いたことのある製作家の楽器から選ぶ」
ことにしました。
やはり大きな買い物ですから、失敗や後悔がないようにと思いました。
「初めまして」のチェンバロを弾く機会があればチェック
私が「チェンバロを買う」と決心した頃には、
注文する製作家の候補も、ある程度絞っていました。
というのも、ずっと「いつかチェンバロ欲しいなぁ」と思っていたので、
「いつか注文するとしたら、あの製作家か、あの製作家かな」
と考える時間が長かったのです。
(いわゆる妄想ですね…)
具体的に何をしていたかと言うと、
チェンバロを弾く時、
特に「初めまして」のチェンバロを弾く機会がある時は、
そのチェンバロの感触や製作家を確認する
ようにしていました。
「このチェンバロの製作家の楽器、初めて見た。
どんな弾き心地だろう。鍵盤の重さは?響き方は?」
と確認して、気になった製作家はメモしておき、
後でインターネットで検索します。
私が今まで出会ったチェンバロは、
例えば以下のようなところにあった楽器です。
- 先生のお宅のチェンバロ
- 発表会で弾いた会場のチェンバロ
- 練習室にあるチェンバロ
- 他の先生のレッスンに伺ったときに弾いたチェンバロ
- ヨーロッパのマスタークラスで弾いたチェンバロ
- ヨーロッパの音楽祭で展示されていて試弾したチェンバロ
やっぱり弾いてみると、それぞれの楽器や製作家による違いがあり、
「有名な製作家だけど、私はあっちの人の方が好きだったなぁ」とか
「『ヨーロッパのチェンバロは、本場だからいいはず』と思ってたけど、
全部が全部好みとは限らないなぁ」
など、いろんな感想を持ちます。
自分の好みの楽器を探そう
値段、納期、様式など、決め手となる要素は色々だと思いますが、
「自分好みの楽器を作る製作家」であることも大事だと思います。
そして新品のチェンバロを買う場合、
気になる製作家の楽器を、1度は弾いてみることをおすすめします。
もちろん、遠い国の製作家が気になっていたら、なかなか試弾も難しいのですが…。
私自身「弾いてみないとわからないなぁ」と思った、
ちょっとしたエピソードがあります。
それは、ユトレヒト古楽祭のチェンバロ展示コーナーで出会った楽器なのですが、
製作家もその場にいらしてて、弾かせてもらいました。
最初、カプラーなしの一段鍵盤のみで弾いた時は特に何も思わなかったのですが、
カプラーを入れて二段鍵盤にすると、鍵盤がとても重く感じられました。
カプラーとは、鍵盤が二段あるチェンバロを、
一段目と二段目の鍵盤を合体させて弾く仕組みです。
一段目を弾くだけで、二段目の鍵盤も同時に鳴ります。
思っていた以上に鍵盤が重かったので、
「やっぱり弾かないとわからないな。そしてちょっと弾いてみるだけでなく、
二段鍵盤ならカプラ―入れてしっかり弾いてみないとだな。」
と思ったエピソードでした。
そういったこともあって
「気になる製作家の楽器は1度弾いてみましょう」
なんて偉そうに言っておりますが、本当のところを言うと、
1度弾いただけで、その製作家の特徴を知るのは難しいこともあると思います。
なぜなら、同じ製作家の楽器でも、楽器が違えば音色や感触も違うからです。
チェンバロは個体差が大きいので、
そのチェンバロがどんな環境(湿度や温度)に置かれていたのか、
どのぐらい弾き込まれている楽器なのか(完成してから間もないのか、数年経ってるのか)
によって、楽器の音色や感触は変わってきます。
なので、ある1台の楽器を弾いて
「んー、この楽器はイマイチかな」と思ったとしても、
それがその製作家の特徴なのか、
それとも、その楽器がたまたまよくなかったのか、
判断しづらいこともあると思います。
「じゃあどうすればいいねん!?」
と言われそうですが、
あまり答えらしいものは持ち合わせていません…(スミマセン)。
強いて言うなら、同じ製作家の楽器を複数台、試し弾きできると、
製作家の特徴なのか、楽器の個体差なのか、
わかるかもしれません。
とは言っても、
複数台の楽器を試し弾きできる環境なんてなかなかないと思うので、
もし製作家の工房とかに足を運ぶことがあれば、試してみてください。
という感じです。
なので私なりの結論としては、
「試しに弾いた方がいい。でも楽器の個体差もあるから、
『試しに弾いた楽器の状態が良くなかった』こともゼロじゃないことを
頭の片隅に置いておこう。」
といったところです。
締りの悪い感じになってしまいましたが、
今日はここまでにしたいと思います。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。



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